田中成道の日記

田中成道の日々の日記です。

YOUNG SEIDO(2) 〜旅立ちの季節〜

昨日の日記から始めた過去のお話ですが
意外に反響があって嬉しいのです。
なので長く続くように頑張ります(昨日も今日も半分以上文章を書いたところでIEが落ちました。長文書くの少し怖いです)。
では昨日の続きから。



学校を辞めた僕は地元のホームセンターに就職した。


若くして十何万という大金を手に入れるようになった若き日の僕。
月に一、二万ほどの貯金だけして遊んだり楽器買ったりしていました。

近所に元楽器屋だったピアノ教室があって
そこに僕はよく入り浸っていた。
「元」楽器屋だけあって薄汚れた倉庫のような店内には
補充されることも無いギターの弦やカポタスト
ギターケースやエレキギターなどがホコリをかぶって埋もれていた。
僕はそこで宝探しのように物色して
お店のお姉さんに(安く)値段をつけてもらい買って帰っていた。
いつ行っても店内には客がいない(もう楽器屋ではないので当然ですが)
明かりも暗い、奥の防音室でピアノ教室を経営していてお姉さんも呼ばなければ店内は完全な無人の空間でした。

そのお店で僕はクリーム色のテレキャスやマイク(スプリングリバーブ内蔵)、その他もろもろ買って家で録音を始める。

録音と言ってもアレです。ミュージシャンなら誰もが経験していると思いますが
ラジカセからラジカセへのオーバーダビングです。
一つのラジカセを再生しながら合わせて他の楽器を重ねてもう一つのラジカセに録音していくもの。
最終的にノイズだらけでワケのわからない作品になってしまう。
この時期に作った曲が入ったテープを友人が気に入ってくれて大事にしてくれています。(そのテープを成人してから聞かせてもらったところ、怖ろしく酷い内容だったために騙すように返してもらって木っ端微塵に破壊しました、ごめんなさい)




音楽以外では少林寺拳法を習っていました。
沖縄に行くまでの半年間で茶帯を取得。
あるマンガの影響で僕は旅に出たいと思ってました。
そのマンガとは
ジパング少年」いわしげ 孝
です。
高校生の男女が学校を辞めて南米に「金の国」を探すたびに出る話。

僕は冒険がしたかった。
冒険には危険がつきもの。
なので護身の為に少林寺拳法を習っていたのです。


そして
それ以外の時間は地元にいる学校を辞めた友人達グループと遊ぶ事が多かった。
会って何をするでもなくだべったり(話したり)、河原をぶらぶらしたり、
カラオケに行ったりで遅くまで起きてる事が多かったです。
そのせいで仕事では寝坊による遅刻が多く、
最終的に頭を丸めさせられる。
仕事中の休憩時間に近所のパチンコに行ったり、
仕事は真面目にやっていましたが職場では「やっぱり若いから…」
と思われていたと思います。

売り場も日用品からDIYガーデニングや家具コーナーなどを転々と移動させられてました。



そんなある日友人が頭を怪我して包帯を巻いていました。

いや実際には怪我をさせられたのです。

木刀か何かで数人にやられたとの事。
数日後他の友人もやられた。

同じ年のある不良が年下(中学生)を集めて僕達グループを襲わせているらしいのです(理由はわかりません)。
その不良は岩で人を殴ったり、釘を刺したり
とてもヤバイという噂。

僕は憂鬱でした。


ある日その不良の手下的な奴ら(中学生)が職場(売り場)に来た。
何かを言われたのかどっちが先に手を出したのか覚えていませんが僕と一人が取っ組み合いになっていた。

会社の上司に引き剥がされ僕は売り場に大人しく戻るように言われた。
奴らは帰って行った。
悔しかったので売り場に戻る振りして追った。
ホームセンター入り口付近で取っ組み合い。



相手は中学生といえど喧嘩慣れしているようでした。
僕は一回しか喧嘩の経験は無い。
ましてやスポーツもした事がなく力も弱い。
何度か相手の拳は僕の顔や頭にあたり、取り押さえるも
押されて後ろの車にぶつけられる。

思うように動けない。
やっとの事で相手と間をとれた。

少林寺の構えをとった。(遅すぎ)

すると
「誰かに学校に報告されたらやばいから…」
と相手は意外な言葉を口にした。人目を気にしたのか構えにびびったのかはわからない。
「?…そうやな」
そいつらは帰って行った。
内心ホッとしていた。(めっちゃ嬉しい)


そして何食わぬ顔で仕事に戻った。驚くほど全くの無傷だった。
が、
おかげでますます職場に居辛くなった。(あたりまえだ!)



そして僕もまた職場に奴らが来るのではと思うと憂鬱であった。(実際に来ていたが)



そもそもこの町が好きではなかった。



テレビのCMでリンケンバンドの曲が流れる。
沖縄いいなあ。行きたいなあ…



貯金も15万円ほど貯まっていた。



旅立ちの季節ですな。(今の僕の声)




別れを告げる友人もいない。


そもそも僕は孤独だったと思う。



いや、もしかして友人達もそれぞれ孤独だったのかもしれません。

学校を辞めて道を外した者達は無意識に

将来への恐怖を感じていたのかもしれない。
また僕達を襲わせた不良も中途退学者だった。
寂しかったのかな、とか思う。







さて、沖縄に行きますよ。



次回YOUNG SEIDO(3)〜沖縄に来た坊ちゃま〜
こうご期待です☆



なかなか沖縄に行かなくてすみません(訴えないでくださいね☆)。
明日は用事があり普通の日記に戻るかもしれません。
それでは…