田中成道の日記

田中成道の日々の日記です。

YOUNG SEIDO(13) 〜イツオさん、僕は元気です〜

お久しぶりです。
もう若干ネタ切れのような感じですが
あと少しで終わりますので
よろしくお願いします。



ゴミの中で眠るエディ。
昨夜の成人式で飲みすぎ、酔っ払ってゴミ捨て場で寝てしまったようだ。




僕は18歳。沖縄に来て2年かあ…色々あったな…


僕は普段指輪をしていたのですが
極度の金属アレルギーで指輪が外せなくなるくらい炎症おこしたりした。

そのくせ、お客さんの席で酔って調子に乗ってピアスを開けたりもした。

アイスペールの氷で耳を冷やし、ピアスをそのまま刺す。

やってもらうほうもやってもらうほうだが

これを刺せる女の子もすごい。


ピアスは数日後、見事にはれた耳の肉に埋もれてしまう…
そんな出来事が数回はあったと思う。
これに懲りて金属は諦めた。




僕はもともと炎症を起こしやすい体質だったのかもしれない。
さらに不衛生な生活も原因にあったのだと思う。




僕は当時ライブハウスや練習の忙しさにかまけて
部屋の掃除をほとんどしていなかったために
部屋はゴミだらけでした。




二年目にはついにノミまで発生してしまう。



そして夢の中にも部屋の汚さの不安が出てくるようになる。


部屋はダニやノミだらけ…
虫に噛まれすぎて発熱して部屋から出れない…
そして大家さんが家賃の集金に部屋に来る…(この夢の続きは後ほど)
という夢。





ある日、不衛生な生活の中
右足のふくらはぎの傷が治らない事に気付く。
傷は何か虫に噛まれてから
かゆくて掻きむしったために出来たもの。
その傷はみるみる悪化していったのだ。





当時、雇用保険や国民保険に加入していなかった。
病院には行く習慣がなかったのだが
ゆったりめのステージ衣装のズボンに右足のふくらはぎが通らないほど腫れてしまったとき
自然治癒では駄目だったと諦めざるをえなかった(遅)。





膨らんだふくらはぎを押すとへこんだままである。
特殊メイク?
見かねたライブハウスの雇われ店長は保険証を僕に渡す(これ以上詳しい事は書けません)。


僕は病院へ。


僕のふくらはぎの皮膚の下に膿がたまっていたようです。
医師は膿を何度も搾り出す。


痛い。


たっぷりと膿を絞って病院をあとに…
足が完治するまで一ヶ月を要した。




そしてこの頃
金縛りに合うようになった。




(先ほどの夢の続き)
夢の中でアパートの大家さんと僕の住む三階から階段を一階まで降りていく。
一階に人間の子供の背丈よりもかなり小さくて黒い生物がいる。頭に角が生えている。
大家さんに
「あれはなんですか?」
と尋ねると
『あれを見るようになると
死期が近づいてるという事!』
耳元で鮮明に呟かれると同時に
目の前に文章が活字で映し出される。


僕の体は巨大な掃除機にでも吸い込まれているかのように
巨大なエネルギーに引っ張られているようでした。音というよりは波動が体を包むような轟音。


真っ暗なのか虹色なのか
分からない景色。
天も地も無い世界。




僕の体はどうなったんだ…

恐怖に押しつぶされそうになりながら
体の感覚を呼び戻す…



指先から感覚は戻っていき、
ぼんやりと自分の部屋で寝ている事に
気付いてきた。


はっきりと意識は戻っても
現実に戻った感覚は無く、
再び寝ると
また同じ状態になったりしていた。





この金縛りは沖縄を離れると回数は減りましたが
以後も続き、
金縛り以上の状態にも移行した。
その話は「田中成道の日記」の上部から「離脱」で日記検索してください。





現実の話に戻ります。


毎年なのかこの年だけだったのかは忘れましたが
石垣市にある市民大ホールにて
八重山音楽祭」なる石垣島在住の素人バンドによるコンテストが行われた。


そのイベントにゲストとして僕の働いているライブハウスのバンドが出演する事に。
イベント会場はいつものライブハウスとは比べ物にならないくらい広い。
リハーサルで緊張しながら会場の空気を確かめていた僕の目に見覚えのある人物が飛び込んできた。
!?
誰だっけかな?


相手も僕の事に気付いていない…



……
………ミヤザト(仮)さん?(YOUNG SEIDO(6) 〜保険証が無い〜参照
ミヤザト(仮)が振り返る。


ミヤザト(仮)はすっかり色白になってしまった僕(しかも派手なスーツにリーゼント)に気付かなかったようです。
ミヤザト(仮)は「八重山音楽祭」の関係者だそうだ。
「イツオは元気にやってるよ」
すぐに本番が始まり一言二言しか言葉は交わせませんでした。


僕はタバコ農業をやっていた頃を思い出していた。


毎日農薬を浴びて
働いて
お酒飲んで
暮らしてた日々。

お風呂も無くて
服もボロボロで
同じ年の高校生に
浮浪者と間違えられて
逃げられたなあ…


あれから2年…
僕は
こんな大きなホールでライブをさせてもらってます。


演奏中
僕の妄想はふくらみ、
村に戻ったミヤザト(仮)が
イツオさんに
僕の事を伝え、
それを聞いたイツオさんが
喜んでいる姿、
それが僕の頭の中にあった。




イツオさん、
僕は元気でやっています。





ライブは終わり
機材をライブハウスに運んでそのまま営業。
ミヤザト(仮)と話す暇は全く無かった。




あいかわらず
僕はキーボーディストとしては半人前だったし
仕事では営業活動に回ったり
チラシ配ったり
お客の席についたり
料理も作ったり
忙しかった。



そして恋愛禁止のままであった。




アミとはどうなったのかというと



どうも無く。

内地の学校に行っているアミは
夏休みや冬休みを利用して石垣島に帰って来てはいた。


会う事もあったが忙しい僕が合わせれる時間は少なかった。




時間がどんどん進んでいく…
そして気がつけば僕は19歳になっていた。










次回最終回
YOUNG SEIDO(14) 〜普通に生きる〜